峠の文教都市あんなか
群馬県安中市(あんなかし)は、リゾート地で有名な長野県軽井沢町と、世界遺産冨岡製糸場のある富岡市の隣にあり、それぞれ車で30分の距離。多くの人からは「鉄道の聖地」、「峠の釜めしの街」と覚えられていますが、実は、意外な見所も多い街。廃線を歩ける日本最大の鉄道遺産群。全国で2社だけとなった現役の製糸工場。江戸時代の中山道の面影を残す町並みと、旅人が育ててきた峠の食文化。明治・大正には財界人の避暑地として隆盛を極めた温泉街。旅のついでに、安中市の「峠と文教」の物語をのぞいてみませんか。
めがね橋と鉄道遺産群
通称「めがね橋」として知られる国内最大のレンガ造りアーチ橋をはじめ、旧国鉄最大の難所であった碓氷線の廃線跡が今も残る貴重な産業遺産です。JR横川駅から続く遊歩道「アプトの道」ウォーキングの休憩にも最適です。また、横川駅に隣接する碓氷峠鉄道文化むらでは当時、運行していた碓氷峠専用機関車「EF63」の運転体験もできます。園内から日帰り温泉施設「峠の湯」まで出発するトロッコ列車で峠路探訪を体験できます。
世界遺産「富岡製糸場」から最も近い温泉地“磯部温泉”と秘湯“霧積温泉”
安中市内の温泉地として、明治から大正に首都圏の避暑地として発展した磯部温泉は源泉を使った磯部せんべい巡りや砂にもぐってデトックスができる砂塩風呂が人気です。また、映画やドラマでも放映された「人間の証明」の舞台となった「霧積温泉」も山奥の秘湯として根強い人気です。
群馬県の梅の生産量は全国第2位!群馬三大梅林のひとつ秋間梅林をはじめ花の名所も多数
秋間梅林は秋間川上流の丘陵地に広がる梅林で、約50ヘクタールの広大な丘陵に約35,000本の紅白梅が咲き誇る景色は圧巻です。秋間梅林祭は2月下旬から3月末にかけて開催され、早春の満開時には多くの観光客で賑わいます。他にも、「ろうばいの郷」は3.2haの敷地に1,200株のろうばいが植えられ、透明感のある蝋細工のような梅に似た花を咲かせます。満開になるとあたり一面に甘い香りを漂わせます。売店や軽食の施設を完備し、冬に咲く花として早春の便りを求め多くの観光客が訪れています。また、毎年1月の上旬にろうばいまつりが開催され、各種イベントが行われています。