1. HOME
  2. ブログ
  3. 【群馬県安中市】安中市観光機構

【群馬県安中市】安中市観光機構

  〈今、観光に求められること〉
人口減少・少子高齢化が進む中、交流人口、関係人口の拡大へと繋がる観光は、今後とも成長戦略の柱であり、地域活性化の切り札です。また、旅のもたらす感動や満足感は生きるための活力を生み出し、観光はワーク・ライフ・バランスの充実にもつながるなど、豊かな国民生活に貢献するものです。観光を通じて、地域住民が自らの文化や地域への誇りを感じられるとともに、更には国際相互理解の促進にもつながるなど、観光は多面的な意義を持っています。新型コロナウイルス感染症や気候変動など、地球規模での課題が発生しているなかでも、観光の意義は変わることなく、むしろその重要性は増しています。そして、今、地域住民の幸福や生活の質の向上を実現する持続可能な観光が求められています。

 国の「観光立国推進基本計画」においては、観光立国の持続可能な形での復活に向け、観光の資質向上を象徴する「持続可能な観光」「消費額拡大」「地方誘客促進」の3つをキーワードに、持続可能な観光地域づくり、インバウンド回復、国内交流拡大の3つの戦略に取り組むこととしています。

 地域の更なる魅力向上を通じて、旅行者・地域住民の双方の好循環を実現する「住んでよし」「訪れてよし」の観光地域づくりが求められます。観光地域づくり法人(DMO)には、地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに、地域への誇りと愛着を醸成する地域経営の支店に立った、司令塔としての役割が期待されています。

〈担当者インタビュー〉

上原 将太

安中市観光機構 | サステナビリティーコーディネーター(見習い)

1991年生まれ。安中市出身。大学卒業後に印刷会社に就職。 2018年9月から現職。「廃線ウォーク」ガイドを務める。祖父はアプト式機関車の機関士。

Q.趣味や特技、休日の過ごし方を教えてください。

A.

趣味:ラジオをよく聞くようになりました

特技:人のスマホで上手に写真を撮ることです


Q.好きな食べものや飲みものを教えてください。

A.

最近、荻野屋の駅そばにハマってます。うどんも美味しい。

クラフトビールが好きです。

今年の夏、横川にもブルワリーができるのが、とても嬉しいです!!

Q.どんな幼少期でしたか?生い立ちを簡単に教えてください。

A.

よく食べてよく寝る、手のかからない赤ちゃんだったそうです。

父の趣味はバイクで二人乗りすることにビビって断ったことを後悔してます。

母の実家があった前橋の商店街に遊びに行くのが好きでした。七夕まつりとか。

4歳上の姉にテレビを占領されがちだったので、外で遊んでいました。

祖父母の農業の手伝いをして、縁側で一緒にお茶を飲むのが好きでした。

Q.どんな学生時代でしたか?

A.

中学卒業まで、背の順は一番後ろでした。

身体は大きくても、苦手なことがたくさんありました。

逆上がりが出来ない、泳げない、音痴で、絵もへたくそ。

だから、得意なことをがんばろう!と、野球ひとすじでした。

高校三年の夏、甲子園に出場できましたが、その秋、

体育祭のリレーのアンカーでバトンを落としました。

大学は網走市で4年間寮生活。毎日5時から朝練、授業の空き時間も全部練習。

ということもあり、進んで勉強するようになり、教員免許を取得しました。

Q.今のお仕事に就くまでの経緯を教えてください。

A.

地元のことを考える原点は、網走で過ごした4年間です。

年に数回しか帰れないからこそ、大事に思うようになりました。

帰ってきたときに西松井田駅から見える、妙義山に日が沈む風景。

散歩をしている近所のおばあさんに「おかえり」と言われる、あの感じ。

都内の印刷会社に就職して、体力勝負とされる週刊誌担当を任されました。

早朝に出版社に原稿を取りにいき、入稿の整理をして、午後から出張校正。

最終校了の木曜日が毎週勝負。23時がタイムリミットで、みんな最善を尽くします。

編集部は良いものをつくるために、切れ味のある旬な話題を読者のために。

印刷現場は高品質なものをミスなく大量に印刷し、確実に次の製本工程へ。

営業担当の私は、現場から「まだか?」とせっつかれ、編集部は「あと10分で!」

というときは、20分はかかる。板挟みだね〜とよく言われましたが、先回りをして、

「ここ、こうしますか?」と提案できる経験値がたまってきて、終電で帰れるようになりました。でも、データを印刷工場へ送って版の出力が始まるまで、近くの大衆酒場で待機する編集部の皆さんと乾杯するのも好きでした。会社に戻って泊まりのメンバーと食堂で飲んで、金曜日は飲みに行く体力は残っていません。月曜日に発売。また、1週間がスタート。

自分も自分が思う良いものをつくりたい。と思う転機になったのは、好きなバンドのレコードジャケットを受注したときでした。好きだから、良いものをつくりたい。紙の提案、機械の選定、コスト削減のために、自分で裁断して、合紙もする。納品も直接届けたい。

「こういうことか・・!!」と、みんなこういう気持ちでつくっているんだと。

良い学びもありつつも、毎月の残業は100時間を越えていく日々。本社の建て替え工事で、江戸川橋から両国の仮オフィスに移動。遠くなり、終電は早まり、泊まりもできなくなり、錦糸町のカプセルホテルに泊まるか、営業車で朝霞に帰るかの選択。254号線、朝の渋滞。そのストレスは私だけでなく、仮オフィスでの環境の変化と、会社の経営方針の転換期で、全体的にピリピリした雰囲気が続き、疲弊していき、転職を考えました。その時の選択肢は、すべて群馬での仕事でした。いま、思えば都内で転職しても良かったのにな、と思いますが、その時はもう、大事に思う優先順位と自分のやりたいことが群馬にありました。

Q.今活動している地域と関わることになったきっかけは?

A.

好きなバンドに地元でライブをやってもらいたいけど、地元との関わりも繋がりが全然ない・・・どうにかせねば!と、安中市内のイベントやお祭りを手伝うようになりました。

鉄道文化むらと峠の湯の野外で計画して、企画書を作って安中市役所に相談へ行きました。

観光課の課長さんが「とてもいい企画ですね。うまくいくといいですね。」

と言ってくれました。2015年頃だったので、DMO立ち上げの準備期間だったと思います。

当時の観光課長=現在の安中市観光機構 事務局長です。現在の観光課長の齊藤さんが、当時の地域振興課の担当でした。対象になりそうな群馬県の補助事業を教えてくれました。

力不足で、採択されず、実現できませんでしたが、この過程が地域と関わるきっかけです。

Q.今はどんなお仕事をしていますか?

 分かりやすい言葉で、なるべく具体的に教えてください。

A.

観光による良い影響を増やして、悪い影響を減らす仕事をしています。

例えば、碓氷峠の歴史や文化を知ってもらう手段として体験コンテンツをつくっています。

体験価値を高めるために、できることを形にしたのが「碓氷峠 廃線ウォーク」です。

いまあるものを活かすことが、悪い影響を減らし、良い影響を増やすことに繋がります。

活かすことで観光資源が人を引き付けます。暮らす人の満足度=訪れる人の満足度と考え、

歴史と文化をつくってきた「人」へのリスペクトを第一に、いまの視点で再構築します。

観光は外貨を稼ぐ経済活動で、観光資源をコンテンツ化して経済循環を生み出し、活用と保全の仕組みづくりを行っていくことが理想です。観光消費をDMOがマネジメントし、地域への還元モデルを構築する。という・・・それらを具体化していくのが仕事です。

Q.今活動している地域の、観光面での特徴と課題を教えてください。

A.

特徴:観光資源に恵まれています!そう思ってない人が多いですが・・・

鉄道遺産群はもちろん、中山道の宿場町が4つもあります。

温泉マーク発祥の地、磯部温泉。そして、明治17年創業の霧積温泉「金湯館」。

日本最大の製糸工場「碓氷製糸」。数々の偉人たちの功績が観光資源になっています。

課題:日本一の温泉地、草津や、国際リゾート地、軽井沢町と比べて、安中市は観光誘客力が劣後しています。安中市域内の観光入込客数と消費額も年々減少しているのが現状です。地域の活性化無くして、経済の再生はないと考え、安中市の地域経済の衰退という課題に対し、安中市の観光産業の新たな取組として「持続可能な観光」の視点から、観光誘客の道筋をつけ、解決に繋げていく必要があります。

Q.「持続可能な観光」のためにやっていることを教えてください。

A.

「廃線ウォークサポーター制度」毎月第一土曜日に活動しています。

活用するだけなく、保全をみんなでしよう!というチームです。

サポーターになる=ヘルメットを買うことです。そして、各々のペースで活動に参加する。

という、ゆるやかなコミュニティとしても機能しています。草刈りから土砂災害の復旧作業まで、みんな自分ごとで愛を持って向き合ってくれています。市内の方が、関西からきた方がいることに驚いて、それで話して仲良くなったり、自分で体験することで別の視点を持つことができるのが、良いなと思っています。訪れる人の熱は暮らす人に確実に伝わります。

「廃線ウォークナイトコンテンツコンソーシアム」

一般社団法人 安中市観光機構、安中市役所みりょく創出部観光課、磯部観光温泉旅館協同組合、東日本旅客鉄道株式会社 高崎支社、株式会社エイチ・アイ・エス 

主要観光素材は昼の観光コンテンツのみ。歴史ある温泉地が存在するが、飲食店が少なく、周辺に博物館もなく、夜間消費が乏しい。販路開拓不足による販売チャネル不足。各地域団体間の取組連携を行ってきたが、宿泊を伴う商品が定着せず、伸び悩んでいる。

これらの課題を解決するために、廃線ウォークをナイトコンテンツ化しました。

観光消費をDMOがマネジメントし、地域への還元モデルを構築することを目的としています。

Q.あなたが活動している地域は、どんな人におすすめですか?

 (具体的な方が読者に刺さりやすいです)

A.

「再生させる」リジェネラティブ regenerativeなマインドを持つ人におすすめかなと!!

温泉街を、宿場町を、廃線跡を再生させる。

環境を、自然を再生させる。伝統を、文化を再生させる。

観光資源も豊富だけど、未活用のものが多い分、選択肢も、余白もたくさんあります。

そこにチャレンジする人たちが、訪れるみなさんを楽しませてくれると思います。

気持ちを休ませたい人にも、熱意を注ぎたい人にも、この地域の文化が寄り添います。

Q.最後に、読者へメッセージをお願いします。

A.

この記事をきっかけに旅行先に選んでもらえるように、

Uターンや移住を考えている方の、プラスになるように、

例えば、廃校になった母校を宿泊施設にしたい!

と思っている学生のヒントになったり、

次の世代の誰かのためになりたいです。

そのために、いまできることは仕組みづくりです。

「持続可能な観光」における国際認証取得を目標に、

観光地域づくりに関わる人を増やし、取得時にはみんなで喜びたいです。

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事